表記法など
公開日: 2022/09/07
略記
数学的な主張に使われる表現の一部に対して、以下のような略記をする。
- $\And$: 「かつ」
- $\Or$: 「または」
- $\implies$: 「ならば」
- $\Not$: 「~でない」
- $\iff$:「両辺は同値」
- $\Forall (\cdots).$:「任意の$(\cdots)$に対して...」
- $\Exists (\cdots).$:「ある$(\cdots)$が存在して...」
- ${}\defeq{}$: 「左辺を右辺(の値)により定義する」
- $\defiff$: 「左辺を右辺(の条件)により定義する」
補助記号として括弧を使うが、適宜省略する。
「任意の正の実数$\eps$に対して、ある自然数$N$が存在して、任意の$n\geq N$を満たす自然数$n$に対して$|a_n - a|\lt\eps$」
$$
\Forall \eps>0. \Forall n\in\N. n\geq N \implies |a_n - a|\lt\eps
$$
本来なら$\Forall\eps\in\R.\eps>0\implies\cdots$と書くべきところだが、量化の範囲が明らかなのでこのような略記をする。
メタ変数
特定の範囲を動く変数に対して、以下のような記号を使うことがある。
- 変数: $x,y,z,\ldots$
- 様々な対象: $A,B,C,\ldots$
- 論理式: $\vphi,\psi$(など)
- 論理式の集合・文脈: $\Gamma,\Delta$(など)
その他
- $0$は自然数に含まれるものとする
- 推論の妥当性を表す記号$\vdash,\nvDash$に関して、推論の図式(schema)における量化を略すことがある。例えば、
- $\vphi\land\psi\vdash\psi\land\vphi$: 「任意の$\vphi,\psi\in\Fml$に対して」という意味
- $\nvDash\vphi\lor\lnot\vphi$: 「ある$\vphi\in\Fml$が存在して」という意味